2007.02.05 Monday
「ドラえもん最終回」に対する小学館の態度
【知はうごく】「模倣が生む才能」著作権攻防（Sankei Web）
>トラブルで動かなくなったドラえもんを蘇らせようと、猛勉強してロボット工学者になったのび太くん。未来の世界でドラえもんを製作したのは、実は、大人になったのび太くんだった−
その感動的な結末は、ネットなどを通じたちまち評判になり、数百部でヒットとされる愛好者向け市場では異例の１万５５００部が出荷された。
少し前に私もネタにしましたが、ドラえもんの最終回をネタにした同人誌。
口コミやネットでの宣伝効果はものすごかったらしく、上にもありますように15500部もの版数を重ねたようです。
ですが、それをよく思わない輩もいるもので、リンク先に書いています「ドラえもん」の版元小学館は作者田嶋・T・安恵氏に対して販売中止と回収を要請。刑事告訴も検討されているとの事。
「ネットで評判になり、部数がケタ違いに増えた。厳しく対応せざるをえない」
（小学館知的財産管理課）
私はこれを聞いて凄く悲しい気持ちになったのです。
もし、藤子F先生が生きておられたらどんな反応を示されていたのだろう、と。
この同人誌をお持ちの方は分かっておられると思うのですが、この最終回を書かれた田嶋氏のドラえもんに対する「愛」はかなりのものです。
それ以前に、小学館は始めのうちこそ黙認だったものを後からになり「悪質な著作権侵害」とまで言い放ち、刑事告訴までに踏み切らそうとするのか。
それは唯一つ。
部数を重ねる事により、当然ながらそこには「金」が波及します。
小学館のコメント「部数がケタ違いに増えた。厳しく対応せざるをえない」が全てを物語っているのが明らか。
以前、とある同人サークルがスーパーロボット大戦をモチーフにしたＭＡＤ風の作品をコミケで販売しようとしたのですが、これもプレス数が40000枚を超える人気作品の為、これも販売中止になっています。
同人誌やパロディは少量なら許されて、版を重ねたり金が波及すると罰せられる物なのでしょうか。
日本のここ二十年くらいの漫画文化は、ある意味コミケや同人誌に関連する文化といえます。同人からプロの方が出てきたり、最近では企業までもがコミケで独自のブースを構えるまでに成長？している分野なのです。
確かに二次創作の分野における販売がここまで巨大化すると、範囲があいまいになっている事は間違いない事実なのですが、今回のこの小学館の対応が、のちのち漫画界における新たな人材の発掘の妨げにならなければ良いのだが…、と思わずにはおられない出来事なのですが。
版元はその同人誌の内容を見た上で、協議していただきたいものです。
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